京大院生の備忘録

人との交流が途絶えた大学院生の日々の出来事や考えを遺した備忘録

【AKB】アイドルの結婚はなぜ「幸せならOKです」とはならないか【NMB】

失礼します。次田(@tsugitain)です。
今日は最近のニュースのお話。(この記事を最初に書いたのは 2017/06/24 です。)

憧れの人の結婚を受けて「でも幸せならOKです」

一カ月ほど前、「でも幸せならOKです」というフレーズがtwitterを中心に話題となりました。
秋篠宮家の長女である眞子さまが婚約されたことが報道された際の、ある報道番組の街頭インタビューからです。

「マジでショックです! まぁでも、幸せならOKです

彼の親指を立てるグッドサインと笑顔からは、嫌味さは全く感じません。

この男性は受験期に眞子さまのお気に入り写真を携帯の待ち受け画像にして、
それを見ながら眞子さまもご卒業されたICUへの入学を目指した時期があったとのこと。

(参考:「でも幸せならOKです」の人に、会いに行ってきた - コラム - Jタウンネット 東京都)

人によっては「待ち受け画像に異性の写真なんて、他人に見られたら恥ずかしい」と思うかもしれません。
ですが、テレビや雑誌で露出する好きな有名人の写真や映像を見ることが好きで、
それを励みにして勉学や仕事に取り組んだ経験のある人は少なくないでしょう。


かく言う僕も、高校生の時に女優の菅野美穂さんが好きで、よく目で追っていました。
(過去形なのは、最近は僕があまりテレビを見なくなったからです。)

クリープやピュアセレクトマヨネーズのテレビCMで爛漫な菅野美穂さんを見る度に笑顔をもらいましたし、
化粧品売り場にあったオーブクチュールのパンフレットを母親に頼んで回収してもらった経験もあります。

当時は女性芸人の高田紗千子さんが菅野美穂さんの笑うモノマネをしているだけでほっこりしたものです。


ところで、ネットでは上記の彼のことを「ファンの鑑だ」と称える声もあります。

確かに、有名人から元気や癒しを貰うだけではなく、その人が幸せになることを心から祝うということ。
好きな人の幸せそうな様子を見て、自分もまた幸せになる。ファンとして素敵なことです。


ちなみに僕も菅野美穂さんの結婚報道を聞いた時、最初は衝撃を受けました。
元々 自分とは無縁な世界に住む人でしたが、さらに遠く離れたような気分がしました。

ただ、その報道で相手が俳優の堺雅人さんであると聞いて、直後に不思議と安心しました。
ドラマ「リーガルハイ」の堺雅人さん演じる古美門研介にハマり、本人に対しても好印象でしたので、
「好きな人同士が結婚して幸せじゃん」と思った記憶があります。


禁じられたアイドルの結婚

さて、話は変わって一週間ほど前のニュース。
AKBグループの選抜総選挙の場で結婚報告をしたNMB48須藤梨々花さんがバッシングされています。


9回目のAKB総選挙の日。

総選挙の様子を中継する生放送が始まった時、ファンはスマホを片手にテレビの前にかじりつく。
自分が応援してきた推しメンが、少しでも上位にランクインされるようにと祈る。

前回よりも順位が上がり、ようやく"彼女"が画面に映され、その笑顔を見て歓喜する。
今の心境やファンに対する感謝の気持ち、今後の意気込みをどのような言葉で表現してくれるのか、期待する。

そして、「初めて人を好きになりました、結婚します」という言葉を耳にして、世界の終わりのような絶望を感じる。


twitterではもちろん、結婚したこと、つまり好きな人が幸せになったことを素直に祝福しているファンの発言もみられます。

しかし、ついさっきまでその女性を溺愛していたにもかかわらず、
態度を一変させてまるで親の仇を見つけたかのように暴言を吐く"元"ファンもみられるのです。

彼らはなぜ、「幸せならOKです」とは思えないのでしょうか。

アイドルの結婚が認められないワケ

上記の理由について、僕なりに考察します。

理由1. アイドルは恋愛禁止

一つは、AKBグループのアイドルは「恋愛禁止」をうたっているから。

恋愛禁止を条件とすることで、応援してくれるファンに対して一途であることをアピールしているのです。
握手券や投票券を求めてCDを買うファンにとっても、アイドルでお金を稼ぐ人たちにとっても、win-winですね。

「恋愛禁止」という考え方は、従来のアイドルにも不文律ながらそのような風習はあったのだと思われます。
だから「普通の女の子」に戻りたい、とアイドルを辞め、恋愛することを誰からも咎められない道を選んだ人も過去にはいました。

しかし、AKBでは恋愛が明確に禁止されていることはAKBファンでなくても知っているほど有名です。
もちろん、同系列であるNMB48も例外ではないです。

当たり前ですが、結婚するからには、その過程としてほぼ間違いなく恋愛もしています。
(総選挙当日にお見合いして結婚が決まった、とかであれば別ですが。)

アイドルとして活動し、応援してくれるファンと笑顔で握手をしているその裏で、ルールを破り恋愛をしていたのです。


「あの握手会の時に見せてくれた笑顔は、本当の心からの笑顔ではなかった」ということ。
「お金を払って会いにきてくれるファン達のことは頭の片隅にしかなく、
 "初めて好きになった"というその男のことばかり考えていた」ということ。

目を背けたくなるような厳しい現実を、晴れ舞台であるべき総選挙の場で再確認させられたのです。
ファンの多くはこの現実を本当は理解していたに違いないが、それでも裏切られた気分になることは想像にたやすい。

理由2. AKBは「会いにいける」

もう一つの理由は、AKBグループは「会いに行けるアイドル」を売りにしているから。

従来のアイドルを含む有名人は、芸能界というテレビや雑誌といった遠く離れた世界で輝いている。
決して手の届かない場所にいるその姿を見て、一般人である我々は生きる希望を得る。

しかし今日のアイドルは、CDという形をした権利を購入し、会場まで行けば実際に会うことができます。
それだけではなく、対面で会話をしたり、一緒に写真を撮ったり、握手をしたりすることまでできます。


ファンの方々も、最初は握手会に行くなんて恥ずかしかったかもしれない。
緊張してアイドルの光輝く円らな目を見て話すことなんてできなかったかもしれない。

普通のデートであればもう終わり。脈なんてものはない。
この素敵な女性と二人きりで会えることはもう二度と無いのです。

しかし、アイドルとの場合は、チャンスは何と一回限りではない。
何度も<コンティニュー>ができます。あるいは<強くてニューゲーム>。

アイドル界隈では、一人の推しメンを応援するために何十万円、何百万円とつぎ込むことも珍しくないそうです。
(この須藤梨々花さんも例外ではないようです。)


そして回数を重ねるごとに、高嶺の花であった子との距離はどんどん近付いていくような錯覚を覚える。
アイドルから見ればただのファンの一人ですが、ファンから見れば大好きな子と時間と場所を何度も共有しているのです。

笑顔で「また来てくれたんですね!」なんて言われると、彼らはイチコロ。
この恐ろしい「勘違い」は、思いを寄せる時間とCDに費やす金額が増えるごとにさらに悪化していきます。


まるで、付き合っている彼女とデートする約束をして、おしゃべりをして、
ツーショットで自撮りして、手をつないでいるかのような幻想を抱く。

そして、その"彼女"が"浮気"を堂々と宣言したのです。
絶望して自殺をほのめかす人や怒りに狂い暴言を吐き出す人が現れるのも理解できなくはないですね。


最後に

僕はファンの方々を馬鹿にしているつもりは一切ありません。
むしろ大量のお金と時間を掛けてまで熱中できる物事があるということに尊敬の念を抱きます。

そして、今回の須藤梨々花さんの件を擁護する訳でもありません。
「恋愛禁止」を掲げているからには、アイドル活動中に結婚するという暴挙に対し非難の声があがるのは仕方がありません。


ただ、彼女の笑顔を素敵だと思い、励まされて辛いことも乗り越えて、本当に応援し、心から感謝しているのならば、
ファンとしてその笑顔を守ってあげられるような言動を最後までとってほしいと思います。